【現役FP目線】GPIFとは?わかりやすく説明、効率良く資産形成をするためには?!
● GPIFって何?
● GPIFについて知ると何かイイことあるの?
● 初めて聞いた、GPIFって
僕は、2008年から仕事としてFP(ファイナンシャルプランナー)をやっていますし、現在は、FP育成も手掛けていたりします。
FPとしてクライアントさんとお会いする際に、「GPIF」の話をすることも多かったりします。
GPIFとは、世界最大のファンドで扱う資金は桁違いに大きいため、GPIFの資金の割り振りや運用方針を知ることで、
これが分かります。
この記事では、僕自身が【FP歴11年の現役FP】として、セミナーなどでもお話していることを書いていきます。
大事なテーマですが、あまり難しくなり過ぎないように、サクサクっと書いていきたいと思います!
そもそも「GPIF」とは?
GPIFとは、Government(政府)Pension(年金)Investment(投資)Fund(ファンド・基金)の頭文字を取ったもので、僕たち日本国民の年金を運用する独立行政法人です。
GPIF 年金積立金管理運用独立行政法人
上記のHPで最新の運用実績なども見れます。
ちょっと調べてみると、この記事を書いている現在発表の運用資産額は約162兆円です。規模感が、もはやピンと来ない数字です(笑)
GPIFは世界最大の投資ファンド?!
日本人でありながら「灯台下暗し」と言いましょうか、クライアントさんの多くの方も知らない事実として、現在、このGPIFの運用資産約162兆円という規模は、世界最大です(笑)
資金のたった1%が振り分けられるだけで、1兆円以上のお金が動くわけですよ。
こんな巨大マネーが投資されれば、マーケットにインパクトありまくりですね( ゚Д゚)
運用方針 GPIFの新ポートフォリオ発表 2014年10月31日
GPIFは、ものすっごい量の資金を持っているわけですが(発表当時で約130兆円)、どうやって運用されているのか?をザックリと見てみます。
参照元 2015年11月1日 日経新聞
この発表があるまでの従来のポートフォリオと新たな目安としての新ポートフォリオの比較は、以下の図の通りです。
運用先 | 旧ポートフォリオ | 新ポートフォリオ |
国際債券 | 60%(プラスマイナス8%) | 35%(プラスマイナス10%) |
国内株 | 12%(プラスマイナス6%) | 25%(プラスマイナス9%) |
外国債 | 11%(プラスマイナス5%) | 15%(プラスマイナス4%) |
外国株 | 12%(プラスマイナス5%) | 25%(プラスマイナス8%) |
短期資産 | 5% | ーー |
GPIFのサイトでも、基本ポートフォリオを簡易にですが見る事が出来ます。
この数値の変化を見た上で、僕自身の独断と偏見と主観の固まりで(笑)、言いたいことが2つあります!
ポイント1:円を売り、外貨建て資産へ
上記記事に書きましたが、円の価値を薄くする(インフレ)方針がある以上、額面が固定されている円建て資産は実質的には目減りするわけですよね。
で、今回の新ポートフォリオでは、国内債権の割合を60%から35%に、実に25%ダウンさせたわけです。
当時の発表から見ると25%と言っても、金額に直すと「130兆円×25%=32.5兆円」という、とてつもない大きな金額を動かしています。
で、外国の債権と外国株の保有率をザックリ17%増やしています。(国内株も13%増えています)
「円建て資産から外貨建て資産へ移行した」わけですね。
ちなみに、国債が約30兆円も売りに出されると、普通国債価格が暴落するのでは?!と思うのですが、
≫円安にして不動産価格を上げちゃいましょう!?日銀による追加の金融緩和(2014年発表)
上記の記事に書いたように、日銀が同日2014年10月31日に「国債の買い入れ額を+30兆円増やす」という発表をしています。
日銀がGPIFが放出した国内債権を吸収する形で、暴落はさせませんよ~というストーリーだったようですね。
ポイント2:新運用対象先として「不動産」が組み入れられている
新運用対象先として(最大5%を割り振る)、「不動産」も上がってきています。
ただ、GPIFは「現物の不動産」を保有することはNGとされており、証券化された不動産商品しか保有できません。
それにしても、発表当時130兆円という資金を持った巨大なファンドが、その数%の資金を動かしただけでも「数兆円規模」のお金が動きますから、大きなインパクトがあるのは間違いありません。
もしも、法律が改正されて、「GPIFが不動産を所有出来ることになれば」、間違いなく不動産価格は急上昇することになります。
円以外の資産:外貨資産と不動産資産は持つべき!
≫円安にして不動産価格を上げちゃいましょう!?日銀による追加の金融緩和(2014年発表)
上記の記事でも触れましたが、外貨資産と不動産資産は持つべきだと僕は思っています。
そもそも、時代の流れに逆行する形(【円だけ】の資産形成にこだわるなど)での資産形成は効率も悪いですしリスクも高いかと思います。
ちなみに、資金をガッツリ持っている保険会社も、円売りドル買い、現物資産に運用先をシフトチェンジしていく流れになっています。
金融機関である大手保険会社の動きにも注目
参照元 日経新聞 2014年4月23日
多くの生命保険会社が「円建」の日本国債の代替運用先を求めて、株式や「外貨建」の外国債券、不動産屋投資を運用先として活用するという内容です。
参照元 日経新聞 2015年4月25日
リーマンショック後で最高値となる形で、主要生保9社が円売ドル買で、外債投資にシフトチェンジをしたという内容です。
参照元 日経新聞 2016年4月28日
主要生保14社が「脱国債」を進め外国債券などへの投資を積極化するという内容です。
要は、日本にある主要保険会社自体が、お客さんにはせっせと「円建商品」を売って、自分たちは「円以外の外貨など」で運用して収益を取りにいくという流れになっているわけです(笑)
保険会社は莫大な資金量を扱う金融機関なわけですが、その金融機関が積極的に「円ではなく外貨で」運用しているということです。
参照元 日経新聞 2017年4月27日
生保会社自体の動きからも分かるように、もちろん、外貨建て資産だけがあればいいというわけではなく、不動産のような現物資産も必要ではあります。
参照元 日経新聞 2018年4月26日
日本国債以外での収益向上を目指す、インフラや不動産への投資拡大を継続。
参照元 日経新聞 2019年3月29日
大手生保は軒並み、不動産投資を積極化。
はい、不動産という現物資産への資金の割り振りが顕著です。
まとめ
● GPIFって何?
● GPIFについて知ると何かイイことあるの?
● 初めて聞いた、GPIFって
GPIFとは、世界最大のファンドで扱う資金は桁違いに大きいため、GPIFの資金の割り振りや運用方針を知ることで、
が分かるわけですが、方向性としてはシンプルに、外貨資産と現物資産にシフトチェンジをしているわけです
とするならば、その流れに乗って、僕もそしてあなたも、資産形成の方向を考えるべきだと言えます。
こういう知識に関しては、文字で伝えるだけだと限界がありますので、もし、もっと勉強したいなぁと思ったなら、セミナーに参加頂ければと思います。
では、今回はここまで!