2022年12月16日に
与党から発表された
令和5年(2023年)の
税制改正大綱が
2022年12月23日に
閣議で審議・決定されました。
大綱には新しいNISA制度について
言及がありましたので
今回は新しいNISA制度について
わかる範囲で解説いたします。
NISAは積立投資を活用した
資産形成のはじめの一歩です。
今後の資産生成の方針を見直すためにも、
しっかり勉強していきましょう。
今のNISA制度は3つある
NISAは、
投資を少額から始める方向けに
用意された非課税制度です。
通常、
株式を売却して利益が出たときは、
発生した利益に対して課税されます。
NISAは運用で発生した利益に対して
課税がされないという制度です。
現行のNISAは、
- 一般NISA
- つみたてNISA
- ジュニアNISA
の3つがあります。
- 一般NISA
- ジュニアNISA
は2023年12月で制度が終了します。
一般NISAについては新しいNISAへ移行し、
ジュニアNISAは廃止となります。
つみたてNISAは2042年まで
買付け可能の予定でしたが、
今回の税制大綱で変更がありました。
まずは、
- 現行の一般NISAと
- つみたてNISA
について概要を説明します。
一般NISAとは?
まず、一般NISAについて
概要を説明します。
非課税の対象となるもの
非課税の対象となるのは、
株式や投資信託などに
投資したことから得られる
- 配当金
- 分配金
- 譲渡益
です。
非課税投資枠
新規に投資できる額は
毎年120万円が上限になっています。
非課税期間
非課税期間は、最長5年間です。
つまり非課税で投資できるのは
最大120万円×5年の
600万円になります。
投資できる商品
- 上場株式
- ETF(上場投資信託)
- 投資信託
- REIT
等が一般NISAの対象商品です。
買付方法
通常の買付けと
積立投資での買付けができます。
積立投資とは、
定期的に一定の金額で
買付を行う手法のことです。
投資可能期間
2014年~2023年末まで
この制度を利用可能です。
つみたてNISAの概要
投資初心者などに
利用しやすい仕組みとして
制度設計されています。
非課税の対象となるもの
指定されている投資信託への投資から
得ることのできた
- 分配金
- 譲渡したときに得た譲渡益
が非課税の対象となります。
非課税投資枠
新規に投資できる額として
1年で40万円まで投資ができます。
非課税期間
非課税期間は、最長20年間です。
つまり非課税投資額として
最大800万
(40万円/年×20年)
となります。
投資できる商品
長期・積立・分散投資に適した商品であって
法律等で設定された条件を満たす
投資信託のみに投資可能です。
より安全性の高い商品に限定して、
初めて投資を始める方の
ハードルを下げることが目的です。
投資可能期間
2042年まで
つみたてNISAを利用しての
投資が可能です。
現行の一般NISAとつみたてNISAは
同時に活用することはできません。
つまり
一般NISAかつみたてNISAの
どちらか一つを
必ず選ぶ必要がありました。
1年ごとに
一般NISAとつみたてNISAの
どちらかを選択することは
可能ですが、
所定の手続きが必要です。
2024年1月からNISAは、シンプル制度になります。
12月に閣議決定された
令和5年税制改革大綱によると、
新NISAは以下のようになります。
非課税の対象となるものは従来通り
現行のNISA制度と同様に、
非課税となる対象は、
売却して得た利益や受け取った配当が
非課税の対象になります。
非課税の期間が無期限に
現行は、
- 一般NISAが5年
- つみたてNISAが20年
でしたが、恒久化されます。
若年期から高齢期に至るまで
長期・積立・分散投資による
継続的な資産形成を行えるように
というのが変更の趣旨です。
つみたてNISAからつみたて投資枠になり、投資可能枠が拡大
現行のつみたてNISAは
年間40万円が上限でしたが、
3倍の120万円まで拡大されます。
現制度では
毎月均等に投資する場合、
月額33,333円と
中途半端な金額となりましたが、
新しいNISA制度では
上限が月10万円と
わかりやすくなりました。
一般NISAは成長投資枠に名称が変更、同じく投資枠拡大!
上場株式が可能な現行の一般NISAは
年間120万円が上限でしたが、
2倍の240万円まで
投資可能額が拡大されます。
つみたて投資枠と併せて
年間360万円、
月30万円まで投資可能となり
大幅に拡大されますね。
非課税のメリットを受ける期間は無期限に
従来は、
運用益が非課税になる期間は、
- 一般NISAは5年
- つみたてNISAは20年
と期限が決まっていましたが、
新NISAでは無期限となります。
投資できる商品
「つみたて投資枠」は、
現行のつみたてNISAと同様の
積立・分散投資に適した
一定の条件を満たした
投資信託が対象になります。
「成長投資枠」は、
上場株式・投資信託などが
対象になります。
生涯投資枠が1800万円まで拡大
従来の一般NISAとつみたてNISAの
投資可能枠は、それぞれ
(年間120万円×非課税期間5年)
(年間40万円×非課税期間20年)
でしたが、
新NISAでは
1800万円まで課題され、
現行のつみたてNISAの投資可能額
800万円の2倍以上となります。
1800万円の投資可能枠のうち
「成長投資枠」では
1200万円まで投資可能です。
一般NISAは600万円が
上限なのに対して
2倍に拡大するわけです。
現行のNISA制度では、
投資した商品を売却などしても、
売却した分の枠を再利用することは
できませんでした。
新しいNISAでは、
投資可能枠の再利用が
可能となります。
新NISAになり制度が一本化
従来は、
一般NISAとつみたてNISAの
どちらかを選択する必要がありましたが、
新制度では一つの制度に変更します。
「つみたて投資枠」と「成長投資枠」との
2つの投資枠が設定されますので、
どちらも活用することが
可能となりました。
現行の一般NISAとつみたてNISAは2023年末で終了
現在、
NISA口座内にある商品については、
新NISAにおける
非課税限度額の「外枠」で、
現行の取扱いを
継続することになります。
つまり、
現行の商品で運用したものは
1800万円の限度額には
含まれないということです。
現行の制度で投資したものを
新制度にロールオーバーすることは
できません。
今後の流れ
閣議決定された税制大綱は、
以下のような流れで
法制化される見込みです。
与党による税制改革大綱発表
閣議決定
各省庁から税制改正に関する
解説資料が公表
新しいNISAについて金融庁から公表。
資料はこちら
法案を作成、国会へ提出
国税については財務省、
地方税については総務省が
国会での審議・承認を経て改正法可決
改正法で定められた日から施行
まとめ
以上、
税制改革大綱から読み取れる
新しいNISA制度について解説しました。
と思うかもしれませんが、
これ一本で資産形成を進めるのは
慎重な検討が必要かと思います。
確かに、
NISAで運用できる商品には
個別株での運用より
リスクが低減される
投資信託が含まれている事や
投資スタイルも
- 分散
- 積立
- 長期投資
と長期で元本以上に
運用する可能性も高いものです。
また、
運用の結果増えたとしても、
元本に対して
どのくらい増やすことができるのかを
予想することは難しいので、
運用の結果を何にどのように
活用していくのか
「出口戦略」を決めることが
容易ではありません。
したがって、
NISA一本に絞るよりも、
- インフレに強い現物資産の保有
- 円安基調で有利な外貨での資産保有
など外部要因を考慮した
バランスのよい資産形成の
プランニングも必要です。
どのくらいNISAに余剰資金を回して、
ほかにどんな手段で資産形成をするのか
プランニングを希望する方は、
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特にNISAを含む株式投資の
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