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かぼちゃの馬車から分かる木造アパート一棟投資のデメリット、危険性

大葉 龍和
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大葉 龍和
独立系FP・FP育成の専門家・セミナー講師

大阪生まれ。天王寺高校理数科卒業、京都大学法学部を半年で自主的に卒業(笑)の後、起業の道へ。ラーメン大好きで夜中にウロウロすることも。ジムに通い出して奮闘中。
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木造アパート一棟投資の提案を業者から受けました。木造アパート一棟投資の方が、ワンルームマンション投資よりも利回りも良いと思うのですが、メリット・デメリットは何ですか?

と、クライアントさんから聞かれることが増えてきた今日この頃。

僕自身の回答は、【素人さんが手を出すと一発でマーケットから退場することになりますよ!!!(破産しますよ!)】です( ゚Д゚)苦笑

まぁ、色々と考え方はあるでしょうが、僕自身は「木造アパート一棟投資に対しては否定派」です。このあたり、現場で話をしている内容を、かいつまんで記事にしてみますね( ..)φメモメモ

木造アパート一棟の【見た目】の利回りが良い理由

不動産投資をする場合、建物自体の構造が、RC造(鉄筋コンクリート)か鉄骨造(骨格材の厚さは様々)か木造かに分かれます。

コストとしては、RC造がやはり高いわけで、逆に木造の方がコストは安くなります。下図を見てみてください。

家賃収入自体は、そのエリアの住所・広さで決まりますから、RCでも鉄骨でも木造でも、基本的には一緒です。で、そうなると、後はコストの問題。

上図の一番右側にあるように、木造の方がコストが安い分、利回りは【見た目】は高く見えます。

あれ???利回りが高いなら別にいいじゃん!

って思いそうですが、そう簡単な話ではありません。上記のイメージは、【全ての部屋が埋まっていて、満室経営が出来る場合】という大前提があります。つまり、郊外アパートの空室率を考えていない場合の話ということです。空室率以外にもデメリットはありますが、これは後ほど書いていきます。

木造アパート一棟投資のエリアが【郊外】になる理由

不動投資と言えば【立地が大事!】というのは、誰でも簡単に想像がつくかと思います。その上で、なぜ、木造アパート一棟投資が【郊外】に多いかと言えば、色々と想像が付きます。

また詳細は別の記事で書きたいと思いますが、都市部は大手の不動産会社やホテル業界などが主戦場にしており、土地取得自体が大手不動産会社ですら難しくなってきています。でも不動産販売会社は不動産を売り続けていくしかない。

と、なれば、大手不動産会社等の主戦場である都市部は避けて、中小の不動産会社は郊外のエリアに活路を見出すしかないわけです。

また、金融機関側も同じく、様々な金融機関が主戦場にしている都市部を避けて、郊外のエリアに活路を見出す「ヤンチャな金融機関」もあります。しかも、融資金利がかなり高くなる(返済金額がそれだけ大きくなるので投資家には不利)ケースが見受けられます。

結果、郊外に活路を見出す中小の不動産会社&郊外エリアに活路を見出す一部のヤンチャな金融機関が、郊外エリアに木造アパート一棟投資を推奨していく形が出来上がっていくわけです。

では一体、どこにデメリットや危険性があるのか?をサクサクっと見ていきます。

問題その1:木造の法定耐用年数は22年(金融機関が限られてくる)

法定耐用年数とは、法律で定められている「使用可能な年数」のことを言います。

節税をしたい!そもそも減価償却って何?

詳しくは、上記の記事を見てみてください( ..)φメモメモ

話を元に戻しまして、RC造、鉄骨造、木造の法定耐用年数を見てみると、

鉄筋コンクリート(RC造)で47年

鉄骨造で骨格材の厚さに応じて19~34年

木造で22年

と、法律上定められています。

で、この法定耐用年数なんですが、「金融機関が融資をする年数」という意味もあります。

大事なことなので、もう1回書きますね(笑)法定耐用年数は「金融機関が融資をする年数」という意味もあります!厳密に言えば基本的には、【残】法定耐用年数分しか融資期間を設けてくれません。(基本的には)

例えば、10年経過した投資用不動産があったとします。

RC造の場合
➡法定耐用年数47年 - 10年経過 = 【残】法定耐用年数37年

木造の場合
➡法定耐用年数22年 - 10年経過 = 【残】法定耐用年数12年

上記の【残】法定耐用年数が金融機関が融資期間として設ける年数となります。

【残】法定耐用年数が短いほどローン期間が短くなる=毎月の返済額が大きくなる
【残】法定耐用年数が長いほどローン期間が長くなる=毎月の返済額が小さくなる

ということで、投資家の心理としては、ローン期間が長い方が毎月の返済額が小さくなり、家賃収入とのバランスを取りやすく、毎月の返済額は小さくしたいという傾向が強いです。

で、木造の法定耐用年数が短い場合の具体的なデメリットがどこにあるか?を順を追って説明しますと・・・

デメリットその1:そもそも多くの金融機関が融資をしてくれない(笑)

そもそも、リスクが高いということから、多くの金融機関が木造一棟や鉄骨造一棟に対しての融資をNGにしていたりします(笑)


引用元 2017年10月21日 日経新聞

はい、上図にあるように、金融庁が監視強化をして

いい加減、地方でのアパート融資を気軽に出すのは辞めようぜ!ちゃんと事業性も評価して融資しないと、債務整理者・破産者が大量発生しちゃうから!!

って感じになっています( ゚Д゚)

そうなると、「ヤンチャな金融機関」から、【高金利・高コスト】で借りるしかなくなりますよね。この段階で投資失敗の将来が見えています。。。

ちなみに、「ヤンチャな金融機関」は、法定耐用年数以上の期間でも融資してくれます(笑)

デメリットその2:借り換えや、売却もキツイ

上記に書いたように、元々、木造アパート一棟投資に関しては、残法定耐用年数などの問題もあり、多くの金融機関が融資をしてくれません。にもかかわらず、木造一棟アパート投資を勧めてくる営業マンのトークとして多いのが、

最初は高金利・高コストの(ヤンチャな)金融機関から借りることになりますが、実績を作ってから数年後に低金利・低コストの金融機関から借り換えをしたらいいんですよ!

ヤンチャA

将来、売却したい場合も、私が責任を持ってお手伝いします!

ヤンチャB

上記のようなトークです(笑)

勘の良いあなたなら、ツッコミどころは分かりますよね?

「最初は高金利・高コストの金融機関から借りることになりますが、実績を作ってから数年後に低金利・低コストの金融機関から借り換えをしたらいいんですよ!」

そもそも、多くの金融機関が木造アパート一棟に対しての融資はしていませんが?


借り換えって簡単に言いますが、残法定耐用年数がさらに短くなるのに、どこの金融機関が融資をしてくれるのですか?そんな金融機関無いですよね?ウソですよね?(笑)あったとしても、「さらにヤンチャな金融機関」で条件は悪化しますよね?(笑)

「将来、売却したい場合も、私が責任を持ってお手伝いします!」

えと、売却するってことは「新しい買い手」がいらっしゃるということですよね?ちなみに、新しい買い手の方が買うときは、さらに残法定耐用年数が短くなっていますが、どこの金融機関が融資をしてくれるのですか?無いですよね?ってことは、新しい買い手は現金キャッシュ一括で買うことになる or 残法定耐用年数が短い分、キャッシュフローがかなり悪化している状態で買うことになりますよね?そんな悪条件を飲む、都合の良い買い手を責任を持って探してくれるのですか?(笑)

ということで、法定耐用年数が短いってことも、デメリット・リスクの1つになったりします。

問題その2:金融機関が限られてくるため、金利が高い

問題その1でも少し触れていますが、「ヤンチャな金融機関」からしか借りれないので、金利が高くなってしまいます。僕のクライアントさんから聞いている限りでは、大体、3.5%~4.5%くらいと言った感じでしょうか。今の市況では、投資用ローンの金利は2%を切るくらいですから、かなり高めです。

って、イメージがわきづらいですよね?ちょっと具体的に金利の違いによる数字の比較をしてみますね。条件は、1億円を30年間で借りた場合とします。

金利
毎月の返済額
合計返済額
利息分合計
1.5%
¥345,120
¥124,243,275
¥24,243,275
2.5%
¥395,120
¥142,243,523
¥42,243,523
3.5%
¥449,044
¥161,656,087
¥61,656,087
4.5%
¥506,685
¥182,406,711
¥82,406,711

上記で見て頂くと分かる通り、金利が3.5%~4.5%というのは、利息部分がかなり膨れ上がってしまうのが分かって頂けると思います。地方郊外という立地ですから、空室率が高くなり入居者が少なくなると一発で債務の返済が出来なくなる可能性が高く、リスクが高すぎます。

問題その3:空室率が高すぎる

引用元 トヨタグループ株式会社タス 賃貸住宅市場レポート 2018年3月 P4

上記を見て頂くとわかりますが、東京23区内でも、木造(&軽量鉄骨)アパート系の空室率は約35%となっています( ゚Д゚)35%の空室率って、僕なら怖くて手が出せません。

しかも、郊外エリアの人口減少も加味すると、なおさら怖くて手が出せません。

人口減少に関しては、下記の記事を見てみてください。

人口減少の今、ワンルームマンション投資って危なくないの?!

で、これだけ色々デメリットがあるのに、なんで気軽に郊外の木造アパート一棟投資をする方がたくさんいるのか?ですが、これは「家賃保証(サブリース)」という魔法の言葉のせいかと思われます。次で見ていきます。

問題その4:家賃保証(サブリース)という魔法の言葉を前提にし過ぎている

不動産投資をする場合、家賃保証(サブリース)という制度を耳にするかと思います。これは文字通り「入居者が居ようが居まいが、業者側が手数料引いた後の一定の家賃を、オーナーに保証する」という制度です。

表面上の言葉だけを聞くと、かなりオーナー・投資家サイドに都合の良い言葉に聞こえますよね。で、この家賃保証(サブリース)を【盲目的に信用する】ところから悪夢が始まります。

1つだけハッキリさせておきますが、僕自身、家賃保証自体には否定的ではありません。ただ、「家賃保証に頼って、家賃保証をしなければいけない様なエリアの不動産」を購入するってのが、そもそも危ないと思っています。

ちょっと、色々と見ていきます。

引用元 2016年8月11日 日経新聞

上記は、とある有名な不動産会社でのトラブル例です。(どこの不動産会社かは知っていますが名前は言いません(笑))

上記のオーナー・投資家の方は、大手賃貸住宅管理会社による「30年間一括借り上げ(家賃保証)」を信じたわけですが、結果、ほぼ一方的に家賃保証契約を解除され、入居者が一斉に退去。家賃収入がほぼゼロになったという例です。

大事なポイントは、【家賃保証契約は途中で解除できる】ってところです。ここを知らない方がトラブルに合っている形です。「地方郊外(空室率が高い)というリスク」「金利が高いというリスク」「木造というリスク」を背負っていても、【家賃保証があるから大丈夫!】と思っているオーナー・投資家が非常に多いのですが、この家賃保証自体を充てにし過ぎることが大きな間違いということになります。

引用元 2016年9月30日 日経新聞

“不動産調査会社のタスによると首都圏の空室率は15年夏ごろから急上昇。最も高い神奈川県は7月に36.6%と過去最高を更新し、16カ月連続で悪化した。首都圏全体でみた場合は「当面は空室率は改善しないだろう」”

というようなことが書かれています。2016年段階から、こういった形で新聞ニュースにもなり始めていて、将来債務整理者がどんどんと増えてしまうだろうという警戒はされていたわけです。

そんな中で実際に起きた、女性用シェアハウス「かぼちゃの馬車」を手がけていた、スマートデイズ(旧スマートライフ)破綻のニュース。

実際に、クライアントさんの知り合いが、破たん前に上記の会社から提案を受けた資料が手元にありますので、ちょっと具体的に提案内容を見ていきたいと思います。

かぼちゃの馬車 スマートデイズ(旧スマートライフ)破綻の問題

以下の資料が、当時の具体的な提案内容になっています。木造二階建てで総戸数12戸の提案です。
物件の引渡し時期は、2016年10月予定となっています。(ちょうど日経新聞で危険性が取り上げられている時期です。)


ちなみに、A(上の図)・B(下の図)は同じ物件概要資料になっています。あれ?なんで、同じ物件概要なのに、値段が違うの?と言いますと、これは、金融機関に融資の申し込みをする際に、物件購入にかかる諸費用などもローンに含めるためです。

要は、

A価格13,470万円+諸費用350万円=合計13,820万円

上記の13,820万円のうち、買い手さんが1,700万円の自己資金を入れてくれたので、
13,820万円―自己資金1,700万円=残りの12,120万円を銀行融資お願いします!

という絵を描くために、Aの資料があるわけです。

で、実際はBの価格11,200万円+諸費用920万円=12,120万円でオーナー・投資家さんに購入してもらうわけです。

そうすると、12,120万円の融資で、12,120万円の物件及び諸費用が支払えるので、自己資金は0円で木造アパート一棟投資が出来るという流れです。

で、具体的な収支に関しては以下のようになるという資料です。

上記を見ると、手残りキャッシュフローが年間で569,256円(月々で47,438円)残るというシミュレーションになっています。ただ、よく見ると、固定資産税として別途約30万円が年間にかかると書いていますので、実際には、年間で269,256円(月々で22,438円)の手残りがあるというシミュレーションになっています。

ここまでの数字を簡単に表現してまとめると、「自己資金0円で約1億の不動産が購入出来て、毎月2万円弱が手に入る不動産投資」という話になります。

ただ、ここで注意すべき点は、上記の家賃収入は【家賃保証を前提にしている】という点です。はい、家賃保証が無くなると、一気に危険な投資になるということです。

で、結果として起きたのが、【家賃保証】でオーナーに約束していた賃料が2018年1月以降払えなくなるという事態。以下が新聞記事となります。

引用元 2018年1月23日 朝日新聞

内容を箇条書きでまとめると、

年収700万円男性が金利3.5%で1億円借り入れ

サブリース(家賃保証)により家賃収入が月60万円30年間保証の覚書を貰う
(ローン支払いは月45万円)


10か月後、サブリース(家賃保証)による家賃収入がローン支払い額45万円まで「減額」される


サブリースが強制解除される&解除月の翌月分まで賃料が没収される


実際は入居率40%前後のため毎月の支払いが困難(毎月のローン返済が45万円あるが払いきれない)
(入居率が0%の物件もある模様)

上記のような内容になっています。これはホントにヒドイ内容です。

ただ、これは氷山の一角であり、リスクも分からず家賃保証に頼った郊外木造アパート一棟投資をしている方は、まだまだいらっしゃると思います。結果、債務整理・自己破産を余儀なくされる方は、スマートデイズの顧客以外にも、まだまだ出てくると思われます。

不動産投資をする場合は、しっかりと勉強することが必要!

今回取り上げたテーマは、かなりネガティブな話になってしまいましたが、不動産投資のすべてが危険だと言っているわけではありません。実際に、僕自身も不動産投資はしています。

ただ、やみくもに投資をしているわけではなく、しっかりと知識を付けた上で行っています。

どうやって勉強したらいいの?どういう知識が必要なの?と気になる方は、是非とも、一度セミナーに参加するか、無料プレゼント動画をご覧になって頂ければと思います( ..)φメモメモ(あ、宣伝です(笑))

まとめ

僕自身は、RC造のワンルームマンション投資をやっています。これは色々なリスクヘッジや、資金効率などを考えての上です。

そして、今回テーマにしたように、「木造アパート一棟投資」に対しては否定派です。理由は、上記に書いてきたようなことです。郊外というエリアの問題、空室率の問題、金融機関の融資スタンス、法定耐用年数の問題、など、その他にも管理コストの問題などもあります。

今回かなり長くなりましたが、とにかく、【家賃保証は途中で解除も出来る】わけですから、家賃保証を前提にした不動産投資は辞めておいた方が良いです。

で、文字で伝えるだけだと限界がありますので、もし、もっと勉強したいなぁと思ったなら、セミナーに参加頂くか動画コンテンツをご覧になって頂ければと思います!

ちょっと宣伝になってしまいますが、大阪・東京でも定期的にセミナーをやっていますし、また、エリア的に参加が難しい方向けに動画コンテンツも用意しています!

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良かったら、セミナー参加、動画視聴などもしてみてください!

では、今回はここまで~

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