新築プレミアムとは?新築ワンルームマンション投資の失敗談でよく聞く例
新築のワンルームマンション投資は失敗しやすいんですよね?
不動産投資、とりわけ、手が出やすいものとして「ワンルームマンション投資」を始める方が増えています。
先に質問の答えを言っておくと、
ただ、
ということで、今回は新築のワンルームマンション投資をする場合に多い失敗談の1つとして、新築プレミアムについて記事にしていきます
「新築だから家賃が高いんですよ~」が新築プレミアム
賃貸で住むマンションを探したことがある人なら、一度は聞いたことがあるはず。
「この部屋は新築なので他より家賃が少し高いんですよ~」
業者
という賃貸仲介業者からのトーク。
反射的に
「あぁ、そうなんですね~」
と受け答えしてしまいそうですが、これが大きな間違い(笑)
家賃というのは、そのエリア(住所)、広さ(㎡単価)と多少の眺望価格(高層階の方が少しだけ高い)で決まっているものであって、
ですが、「新築だから」というセリフで家賃が多少高く設定されています( ゚Д゚)これがまさしく、「新築プレミアム」なわけです。
では、新築プレミアムがつく【本当の理由】は一体何なのか?を解説してきます
まずは、ワンルームマンションの物件の価格の決め方を知るところから
まずよくある勘違いは、
物件価格を決めてから
家賃を決めている
実際のところは、
相場家賃があるから
物件価格が決まりまする
ちょっとわかりづらいですよね?下図のイメージを見てみてください。
まずは、月間の相場家賃から話はスタートします。相場家賃とは、そのエリア(住所)によって㎡単価が決まっています。
これは、周辺の家賃事情をネットで検索するとある程度分かります。
を出します。
この年間の相場家賃が価格に対して4%~5%くらいになるように(4%以上になるように)物件価格が設定されています。
「なぜ4%以上か?」というと、銀行からの融資・借入で100%フルローンが出来るかどうかの判断基準の1つになっているからです。
4%未満で利回りが低い =銀行からすると貸出利息を取ると投資家が本当に返済できるか不安になる =返済がちゃんと出来るように頭金を投資家に求める(100%フルローンが付かない物件になる)
100%フルローンが付かない物件 =頭金が必要(残りをローン組する) =まとまったキャッシュを持った投資家しか買ってもらえない =投資家を選ばないといけなくなる(売りづらい)
という流れになります。
ですので、多くの場合(全ての物件ではないです)で、年間家賃が物件価格の4%以上になるように、物件価格が設定されることになります。
ちょっと、例えばの話として数字を入れて計算してみます。下図を見てみてください。
仮のイメージの話です。
月間の相場家賃が8.3万円となるエリアの物件があったとします。
年間の相場家賃は、
この年間の相場家賃約100万円が4%になるように、物件価格を決めるとすると、
この2,500万円が物件価格となります。
この話がなぜ新築プレミアムに結びつくのか?は、もう少し読み進めて頂ければと思います。では、続きです。
ここで、「販売代理」が登場すると・・・
ここに販売代理が割り込んでくる形で登場します。
≫ワンルームマンション投資で、新築は失敗する?新築プレミアム、販売代理の存在は知っておくべきポイント
詳細は上記の記事を見て欲しいのですが、簡単に言うと、上図のように「販売」を別会社に任せてしまうということです。
そうすると、販売代理の利益が、先ほど決めた2,500万円という物件価格に載ってきます。
仮に+500万円の利益を物件価格に上乗せしたとすると、2500万円+500万円=3,000万円という価格になります。
販売代理の利益が上乗せされると、利回りが崩れる・下がる
ここで、相場家賃の話に戻ります。
元々、
これで、価格に対して4%という利回りがあり、銀行の100%フルローンが下りる状態が出来ていたわけです。
ところが、販売代理の利益を上乗せすると、
こうなると、銀行からフルローンが下りずに、頭金を出してもらう必要がある物件になってしまいますから、売り手側からすると「売りづらく」なるわけです。そこで・・・
利回り4%に戻す「家賃を上げてしまえばいい!」という斜め上の考えに
3,000万円という物件価格に対して、年間【見た目】家賃が120万円あれば、120÷3000=4%という数字が維持できます。
現在の年間の【相場】家賃である約100万円を年間【見た目】家賃120万円にするには、月間の【見た目】家賃を10万円にしてしまえばいいわけです(笑)
つまり、 年間【相場】家賃:約100万円 ➡年間【見た目】家賃:120万円 物件【相場】価格:2,500万円 ➡物件【販売代理】価格:3,000万円 年間【相場】利回り:4%達成 ➡年間【見た目】利回り:4%達成
に変更すればいいという考え方です(笑)キレイな物件パンフレットや、収支シュミレーションも、上記の変更後の数値で作成されます。
【相場】家賃って、民間会社1社で適当にいじれるわけはないのですが、なぜか、こういう習慣がまかり通っているのが新築ワンルームマンション販売の不思議です(笑)
もうそろそろ、感の良いあなたなら、気づいてもらえるかと思いますが、上記の【見た目】家賃と【相場】家賃の差が【新築プレミアム】ということです(笑)
上記の例でいくと、
この約1.7万円が「新築だから」という理由で家賃が高くなっている部分ということです。
新築プレミアムはいずれ無くなる=利回りが元に戻る
新築プレミアムの厄介なところは、「最初しか新築扱いにならない」ところにあります。
今回はワンルームマンション投資の話ですから、投資用マンションとして物件があります。そこに住む賃借人は当たり前に入れ替わっていきます。
その際、2人目以降の賃借人が部屋を借りるときは、「新築ではない」わけですから、「新築プレミアム」は取れないということです。
結果として、今回の例、月間約1.7万円が新築プレミアムとして上乗せされている物件でいくと、
年間【見た目】家賃:120万円 ➡年間【相場】家賃:約100万円
物件【販売代理】価格:3,000万円 ➡物件【販売代理】価格:3,000万円
年間【見た目】利回り:4%達成 ➡年間利回り:約3.3%に戻る
新築プレミアムとして上乗せしていた約1.7万円分の月間家賃が下がるわけですから、利回りが下がります。ただ、銀行の返済は3,000万円という価格に対しての返済が続きます。
投資家目線でいくと、「数年後から突然利回りが悪化した~~~~~~~ファック!!!( ゚Д゚)」となるわけです(笑)
元の【適正な相場数値】に戻っただけなのですが、入り口から高掴みさせられていると、【悪化したように見える】わけですね。
やっぱり、新築のワンルームマンション投資はダメなのか?いや、違います(笑)
ここまで書くと気づいてもらえるかと思うのですが、
販売代理が絡んだ新築物件を買う場合
売主から直接物件を買う場合
となるわけです。当然、築年数が古くなれば家賃も下がりますが、それでもメリットが出ます。
≫どっちが得?ワンルームマンション投資と保険との比較シミュレーション(デフレ期)
≫儲かる?ワンルームマンション投資と保険との比較シミュレーション(インフレ期)
古くなって家賃が下がったとしても、ワンルームマンション投資はメリットがあると言える数字の根拠です
まとめ
新築のワンルームマンション投資は失敗しやすいんですよね?
答えはYESでありNOです。
新築のワンルームマンション投資の失敗談で多いのは、圧倒的に新築プレミアムの兼ね合いだったりします。
売主(事業主)直売物件の場合、そうそう大きな失敗はしないかと思います。(あ、もちろん、エリア選定をしっかりしているという前提ではあります。ここも別の記事にて書きたいと思います。)
しっかりと勉強した上で、効率の良い資産形成をするべきですね!
では、今回はここまで!